最終話/再演(Death) 発進! 未完の最終兵器!
はっしんみかんのさいしゅうへいき


Rock'in them ALL!!! ――無理矢理でも訳すなら「奴等をブッ飛ばせ!!!」と言う所だろうか。この期に及んでこんな言葉を言えるヤツは、一人、いやまあギリギリ二人? それぐらいしか思いつかなかった。



果たして。



『おっ届け物でい〜〜っす』



半ば予想通りの、すっげー能天気な声がした。

それはあまりに非常識だったが、その非常識さもまた予想通りのことだった。

全てがあまりに予想通りだったせいで、その声がどういう手段で聞こえたのかということについての疑問を感じた者すらいなかった。宇宙空間は真空にほど近くて声は伝わらないもののはずなのだが――


それを見た瞬間に、そういうまっとうな疑問などはまったく意味がないのだと誰の目から見ても明らかだった。


そのべスパはどっからどうやって走ってきてたのか、慣性の法則とか無重力とかを一切合財無視してエヴァ量産機の残骸の上をけたたましい雑音を(宇宙空間に)響かせて飛び回った挙句だぐんと着地し、

キキィィィィィッ! とブレーキ痕が残りそうなドリフトを効かせて止まった。


『んちゃ〜っス! 黒犬獣の宅配便でいっス』


果たして、そこには黄色いベスパにまたがり、後方にやけに長いロープ状のものと、その先に繋がる、下手なビルより遥かにでかいギターのような形のものを引きずる、ハルハラハル子(本名ハルハ・ラハル)の姿があった。

いや、申し訳程度に宇宙服のヘルメットを被っている状態なのではっきりとは解らないが、何処か脱力気味な声といい、黄色いベスパといい、どう見ても宇宙服の条件を満たしてないあの馬鹿でかいフルフェイスヘルメットといい……


「こりゃーあの非常識な人に違いない」


と言うのが、シンジ達の感想だった。

それゆえアスカは確かめもせず叫んだ。


「ベスパ女ぁ!? 何してんのよこんな所で!」

『なあにって、汎用ナントカロボエッヴァーンゲリオン専用フライングVストラディバリウスのぉー…… あー、なんだっけ? ……デス・バックボーン・カスタム? お届けに上がったんすよー』


エヴァ専用フライングVストラディバリウス・デス・バックボーン・カスタム――そのあまりに珍妙な名前に、シンジ達パイロット組一同は。


「「「「『『なんだ(なによ)それ!!!』』」」」」


見事にハモった。



☆ ☆ ☆



一方その頃、地球のネルフでは。


「送り出したは良いけれど、流石に宇宙だとねえ……」

「火星軌道でも約3.2分、それより先となるとまたタイムラグは広がるし……指揮も何もあったものじゃないわね」


のんびり、と言う程ではないが、妙にまったりとした空気が流れていた。無理もない、送り出してしまえば、もはやできることは事実上何もない。

「っていうかさあ、なんであんな形状になってたわけ?」

発注ミスよ。でも――さすがに二つのモノが一つになって送られてくるとは思わなかったわ」

「ふうん。ご都合主義的な説明ね……ま、いーや。それで、リツコぉ。……届くの? アレ」

「正直難しいわね……宇宙まで届ける運送屋というのが、そもそも怪しいし……」

「しかも、異世界の奴らだし?」


ミサトは言いながら、何故か電話帳に載っていた「メディカル・メカニカ運送部門(一般配送業務請負)」からやってきた作業員の顔を思い出していた。


『ちわーっス。メディカル・メカニカ…とみせかけて…の運送部門でっス。お届けものをいただきにあがりやしたー』


別にわざわざ指摘もしなかったが、あれはどう見てもあの女だった。


「彼らでもないと、届けようがないわ」

「確かにねえ……こっちの技術力は、所詮常識の範囲内だし」


はあ、とため息が満ちる。それくらいしかやることがないのだ。

そんな空気の中、ミサトはふと辺りを見回し……はて、と首をひねった。

なんだか、何か欠けているような……あっ。


「どうしたの?」

「そー言えば青葉君見て無いけど」


それにならって、隣に立っていた日向も首をひねる。


「いや、僕も知らないです。君知ってる?」

「青葉君見てない」

「青葉君って誰だっけ?」


そしておずおずと、リツコの膝にしなだれかかっていた(何やってるんだ)マヤが三人に告げた。


「って言うか、青葉さんの席に座ってるこのロボなんでしょう」

「……リツコ?」

「何であたしに聞くのよ」


ロボ。


それは確かにロボだった。顔の辺りがブラウン管のようになった人型のロボが、普段青葉が腰掛けているシートに座り、マンガ雑誌などを眺めている。

いや、目が無いので判然とはしないが、多分、眺めているのだろう。


「あんたでなきゃ……ガンバスター関係?」

「ああいう真面目な世界観にあるものとは技術体系が違うようにも見えるけど」

「ああ……え、それじゃあもしかして」


と、突然ロボが顔を上げて立ち上がった。ブラウン管に光線が走り明るくなる。それはやがて砂嵐を映し出し、ノイズは画像へと変わり……やがて。


『これ、チェロ?……じゃない、ホントにギターだ』


「これってシンジ君の声が……聞こえる?」


『あーあーあー、地球のみなっさーん、きっこえますかー。亜空間通信チャンネル・開設かんりょーっス! 写ってるう?』


「あんた!? いや、亜空間通信って……え?」


『こちらゲンバのハルハラハル子でぇーっす。ワタクシは今、火星軌道近傍にまで来ておりまーっす。チキューの皆さんお元気ですかー? ハローハロー』


「火星近傍……一体どうやって」


『まーそこん所は女の秘密って事で』


「そんな非常し……ちょっと待って! どうしてタイムラグが無いの!? 火星って言ったら光でも3分以上掛かるのよ!?」

「ちょっと落ち着きなさいよリツコ」

「離してミサト! こんな非常識がまかり通ってなるもんですか!」

「いや……そう言ってもロボ君困ってるし……」


リツコが襟首――らしい――辺りをつかんでがくがく揺するせいか、ロボは困ったように頭を揺らしていた。


「……あ」

「どうしたんだ、マヤちゃん」

「日向さん。あの……このロボがしょってるのって……青葉さんのギター?」



☆ ☆ ☆



「でも」


と相変わらず光速の数十パーセントの速度で地球圏へとぶっ飛ばされながら切り出したのはシンジだった。


「どうやってあんな馬鹿でかいギターを使うわけ? どう見たってあれ、エヴァより大きいよ?」


シンジに冷静に指摘され、全員の顔に「むー」と縦線が浮かぶ。

そうなのだ。

「エヴァ専用」と言いながら――いやまあ確かに、エヴァ専用らしく廃棄されたエヴァの背骨を利用してATフィールドのレールを展開し、敵にその見えないレールを使って絶対命中・亜光速で弾丸を打ち込む、という悪魔的なシステムではあるけれど――その兵器は、誰がどう見ても全長200メートルはあるのだから。


『え? エヴァって300メートルくらいなかったっけ?』


頭に花が咲いてるのではないかってくらいお気楽な口調でそんなことをのたまってくださったのは、作戦部の第一課長を拝命しているはずの葛城ミサト三佐@亜空間通信だった。自分のところの兵器くらい把握しておけと言いたいのはやまやまだが、そうもいかない事情もあった。


「あ、いや、その……今回は、その」


しどろもどろに何か言い訳しようとするシンジの言葉がある意味原因を端的に表してはいた。


『では、私たちが……』


と言いかけ、カズミはギターを見て眉をひそめた。

ガンバスターからモニターした限りでは、超特大サイズではあるが、あれはふつーにギターだ。宇宙空間でああも形が維持できていることから考えてもまともな素材を使っているようには見えなかったが、まあとにかくギターの範疇にあるものなのだろう。多分。

そして、それはガンバスターが使ってもただのギターだろうということだ。

それにS2機関だのATフィールドだの、そもそもがエヴァンゲリオンのために作られている装備を、自分達が上手く使えるようにも思えなかった。

果たして。


『だめぇだめぇ』


気だるげな運送屋はやっぱり非常識な恰好のまま、オッソロしく軽がると言ってくれた。


『それはそっちの汎用決戦人型ロボ? 専用なのだねえ』


やっぱりなあ、と言う雰囲気が広がる。

結局のところバラバラの技術を持ち寄っても、それぞれ自分の持っている範囲の技術しか使えないのか。


「……そんなこと言うならサイズをあわせなさいよ。ったく……」


万事休す、か。とアスカが呟いたのをシンジは聞いた。

あのアスカが、弱みを口に出すなんて。

解ってはいた。

解ってはいたが。

本当に、今現在の状況というのはしゃれにならないものなのだ。ぐだぐだと喋っている暇がないほどに。


先ほどバスターマシンが蹴散らした量産機たちは、再び編隊を整えつつあった。既にバスターマシンの装備は、バスターヨーヨー、バスター竜巻、バスタースピン、バスターカウボーイ、バスタートマホーク、バスターリング、バスターストライクのいずれもが使用されていた。


これは、やっぱりもう駄目――「なんとかなるかもしれない」


何処か思いつめたようにレイが呟いた。


「……だけど」


あるいは、それは誰かに聞かせるつもりはなかったのかも知れない。それほどに小さくて囁くようで、しかしことこの状態においては、誰しもがその言葉を聞き逃さなかった。


「ファースト!?」


「綾波!」


二人が別々の言葉で同じタイミングで叫ぶ。

モニターの向こうで、ミサトもリツコもマヤもカズミもノリコも、全ての人間がレイに、綾波レイに注視した。その唇が次の言葉をつむぐのを待っていた。

彼女が眼を伏せたのにはどういう理由があるのか、誰にもわからない。

だが、


「エヴァが、あれを使うためにできること、それは――」




合体。




「合体!?」


「合体?」


「合体ッ…!」


『がっ、たい……』


『合体!』


パイロットたちが一通り叫び、十五秒ほど遅れて「ふ、ふけつっ」と聞こえた。あ、これはマヤではなくヒカリである。念のため。既にマヤは大人のオンナなのだ。



「そう……合体」

「いや、それは解るけど、何が、何と合体するってのよ!?」


アスカが食って掛かる。わかるのか? というシンジの疑問の視線は潔く無視してて訊き返す。これにいつも無表情か僅かにまなざしを険しくして応じるのがいつものレイのやりとりであったが。

その時の彼女は、どうしてかうつむいていた。唇をかみ締めていた。


「……ファースト?」

「ガンバスターが、エヴァと」

「ああ、なるほど……エヴァとガンバスターを――」


納得したように頷くアスカは、


「合体い!? どうやって!?」


さすがに次の瞬間にはその荒唐無稽さに気づいた。いや、気づかない方が不思議であるが。


『エヴァとガンバスター、使用している技術も拠って立つ世界の理論も、まるで異なっているのよ!』


あまりに荒唐無稽な言葉にすぐさまリツコが正論で切り返す――が、レイは引かなかった。


「だけど、今は同じ世界の中で運用されている」


その放送を聴いた全員が、目が覚めたような顔をした。

それは――そうだ。

だがしかし、それがどうだというのだ。シンジは呆然とアスカとそしてレイを見た。同じ世界で動いているとはいっても、ガンバスターとエヴァとでは、そのシステムから材質から、何もかもが違っている。それはいっそ世界が違うと――いや、比喩でも何でもなくそのまま「世界が違う」と言い換えても過言ではない。「生き物だから」と植物に動物を継ぐようなものだ。

そんなパッチワークのような真似ができるなんて到底思えない。


だが。


『できる――可能性はあるわ』


沈黙を破るように、モニターからリツコの声が聞こえた。


「どういうことよ!」

『エントリープラグを装填させる時、エヴァは同時にそのパッチ――陰陽道における呪詛を飲み込んだ可能性がある。サッシくんの誘導に任せていたらそんなことになったんだけど』


え?マジ?

そんな顔でアスカとシンジは顔を見合わせた。

カヲルは笑っていた。彼も眠っていたはずであるからそのことは知らないはずだが、笑っていないと間が持たないので笑っているだけであり、別にそういうことがあったということを知っていたわけではないのだ、恐らくは。

彼が知っているのは、もっと根源的なことだ。


『本当はそんなことはできないはずなのに、それがどういうわけか、気づいたら所定の位置に入ってたのよね』

「くどい! さっさと言いなさい!」

『つまり、この世界では、そういうでたらめがまかり通るということよ。いえ――もともと私達の世界は、本来それくらいでたらめだったのかもしれない。知っている? 私は――あれを、エヴァの設計図に合わせて設計したはずなの。だから本当は、あれはエヴァと同スケールにあるはず』

「それってつまり」

『それくらいでたらめだったってことよ。内部にいる私達が気づかなかっただけ』


今回はエヴァの大きさは300メートルもない。その意味をチルドレンはようやく知った。


『特にこの世界は――あのサードインパクトを越えた、この不安定な世界では、おそらくは意志、心の形がダイレクトに反映されるようになっている。アスカ――あなたが最強であるということの原因も、恐らくそこにある』

「なんのことよ!」

『だから、この世界でもっとも力があるのは、でたらめで我儘な方だということよ』


(なんで会話が成立しているんだろう)


シンジは微かにそのことに疑問を覚えたが、あんまりどうでもいいことなのでさっさと忘れることにしてリツコの声に集中した。

その間にも量産機は編隊を組み続けている。一斉に無駄なく隙間なく圧倒するために展開しようとしている。同士打ちなど恐らく彼らには関係ない。ここで必要になるのはエヴァもガンバスターも逃さない隙間のない包囲網からの突進による、絶対的な蹂躙なのだ。僅かにも隙があればこの二機の巨人はそれを利して逃れ得るということを彼らは知っていた。ばかばかしいまでの戦力比というまでもない力の差でなおも消滅させることができないということが、彼らにそうさせる理由であった。

ここで、完全に、絶対に、完璧に、滅ぼさなくてはいけない。

そうしなければ――


『赤木博士! 説明はほどほどにしてください!』


カズミの声に、即座にリツコが『最後まで聞いて』と応えた。

ここでタカヤもカズミもシンジもことの異変に気づいた。

アスカは頭に血が上っているのか、あるいは気づいてもどうでもいいことなのか無視していたが。


『こうまで回りくどく説明するのには、理由があるのよ。わたしはあなたたちを納得させなくてはいけないの。ガンバスターとエヴァは合体できるものなのだと説明しなくてはいけないのよ』


全員が黙った。



☆ ☆ ☆



「ええそうよ。それは本来はありえないはずのことよ。だけど、できるの。できなくてはいけないの!」


発令所に響くリツコの声はいつになく感情的だった。ここのところ叫んだりしているが、そういうのではない真剣さというか凄みというか鬼気迫るものがあった。


「聞きなさいアスカ! この世界は、おそらくサードインパクトの余波で何かが狂ってる! あなたの最強も、本来いなくなっているはずの……レイ? いえ、そんな……いや、だったら!」


途中で何かに気づいたらしいリツコの声は困惑を交えたが、すぐさま元の力を取り戻した。

その時にレイはリツコをにらみつけたのだが、それはモニター越しには届かなかったのか、彼女の表情は変わることはなかった。


『つまり――赤木博士は私たちにこう言ってらっしゃるのですね? 合体できると思い込んだら、それは実現すると』

「……きっとよほどに強い意志力の持ち主でなければ世界に影響を与えることなんてできないのだと思うけど。あるいは陰陽師のようなそういう創る者≠ノしか……」


「リツコ」


声が割り込んだ。

葛城ミサトの声だ。

アンチェインといわれた女の声だ。

赤木リツコの親友の声だ。

ひどく優しく、彼女は友人の名前を呼んだ。

だが。

すぐさま、いつものような不敵な笑顔に変わった。


「科学者ってーのは、肝心な時に回りくどくていけないわねェ。まったくもう」


そして。


「こーいう時はね、リツコ。たった一言でいいのよ――『奇跡を起こせ』、そう言えば」


いや、それは奇跡どころではないデタラメで……といいかけたリツコは、続けて聞こえた声に、モニター越しの視線に、口を閉じた。


モニターに燃える目を移して、ガンバスターのパイロットは叫んでいた。


『奇跡は……起きます! 起こして見せます!』


そして、エヴァのパイロットの彼らもまた。


『どーかん! んじゃないと、エヴァ・パイロットなんてやってらんないわよ!』


なんという子だ。

なんという子どもたちだ!

かつての自分は無知で無邪気だった。だから手を広げれば空だって飛べると夢想できた。だが、ここでも同じことが思えたか? あの幾万の絶望の中でなおあんな顔ができたか? 一縷の望みにしがみつくのではなく、それをやってみろといわれて当たり前のように応えられたか? ヤケになっているのではなく、それしか手がないからではなく、あの子たちは自らが欲する結果のために決して心が折れることはない。いや、折れているはずだ。

あんな風に叩き折られてから、それでもそれを継ぎ直してそう望めるものなのか?

そんな一瞬の呆然をも許さないように、傍らに立つミサトが叫ぶ。


「――いい言葉ねノリコちゃん! 同感よ! 奇跡は起こしてこそ意味がある! だから――合体よ!」


『『『『『『はい!』』』』』』


そして、その奇跡が起きる条件は――残り二つを除いて整った。


だがそのたったふたつも、今、ついに――


『いいねー。この流れ、ロックだねー!』


まだ奇跡を起こしていないように見える宇宙人は、寄る辺ない宇宙のど真ん中で不敵に笑い転げていた。


そして。


『ってワケで、おっとどけものでーす。つぅ〜!』


軽やかにそう言うと、例のギターのすぐ後ろに隠れて見えなかったロッカー大の箱から、二組の宇宙服を取り出した。


それは、奇跡を起こす最後から二番目の条件。


『アカンわアルミちゃん……星が見えおる……』

『ホンマやサッシ……うちら、天国にきたんやろか……』


グロッキーな表情でそんな会話を交わしている二人は。


「あれって……サッシ君とアルミちゃん? 何時の間に!?」

「さっきから姿が見えないと思ってたら……そんなところにいたの」


『気ーにしない気にしない。終わりよければ全てパーペキ』

『あー! その声はギター女! あんたがおるっちゅうことはここは天国とちゃう! どこやサッシ!』

『痛い! なんかあったらとりあえずボクを殴るんやめてやアルミちゃん! どこか、って言うても……ここて……宇宙……ちゃう? え、何これCG?』

『ちっがうんだなーこれが。その証拠に――ちゃーんと捉まってろよ☆』


ばびゅん!


言うが早いかべスパはエヴァとの差を一瞬で詰め――


『『ちょお待って! 待って待って待って死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!』』


『Rock'in U ALL!!!』


ぎゃいーーーーーーーーーーん!


背中に負ったリッケンバッカーでエヴァの額をぶっ飛ばし、あろうことかエヴァをエヴァ専用(中略)カスタムの方へと打ち出した。


そして笑いながら叫ぶ。


『オンミョージ少年、ごー!』





何を――とは、サッシは訊かなかった。

なんであんだけ思いっきりぶん殴られた次の日に、も一度ぶん殴られてここまで連れてこられなければならなかったのか、その理由は、この状況を見たらもうわかっている。

わかってはいるけど。


『そんなん無茶やー!』

『無茶じゃにゃいもーん。おいおーい、バッタービビってるぅ?』

『アホか! 怖いに決まっとるっちゅうんじゃ!』

『そうじゃドアホ! めっちゃ怖いわ! ……せやけど……せやけどサッシ! あのクソボケにあんなん言わせとってええんか!?』


『……』サッシは黙り込む。


『――サッシ!』


ん! とアルミが手を差し出した。

その手は震えていた。


これやから、とサッシは思う。


この子がいつもこうやって背中を押してくれるから、ボクはなんでもできるんや。


『――しゃあないなあ! ええいもう、どうなっても知らんで! あ、あ、あってあるこの世のもの……知らんわ! 省略! なるようになれー!!!』





そして――それは生まれた。



☆ ☆ ☆



そして異変は起こった。

「エヴァのA.T.フィールドが展開! エヴァ専用(中略)カスタムのS2機関を吸収しつつ、分裂したガンバスターの外壁を侵食していきます!」

「侵食? いえ、違うわ。あれは――合体よ」


そう、それはまさしく合体だった。

分解したバスターマシンの間にエヴァが挟まり、組織を増殖させながらその隙間を埋めていく。

美しい融合だった。

それぞれの組織がきっぱりと意味づけられ、理想的に組み合わさり――そしてひとつになった。


ふうむ、と冬月が唸ったのも仕方のないことだった。


「元になるエネルギーは縮退炉を用い、その無限増殖と制御はS2機関、意味化には陰陽道、合体の精神同調にガンバスターへ込められた根性の概念を吸収し、更にはあの二人の闘志を学習。なるほど――ガンバスターとエヴァの融合体……差し詰め」



ガン・エ・ヴァ・スターと言う所か」



☆ ☆ ☆



量産機たちは一斉に翼を広げた。


押し寄せる。

怒濤となる。

それは絶望という名の殺戮のシステム。世界を守るために作られた免疫機構。彼らには恐怖はない。妥協はない。決して滅びることもなく、潰えることもない。無慈悲だの残酷だのという言葉もいらぬ。ただただ圧倒的で絶対的で。進み押し潰す運命という名の戦車。万が一にも敗れる可能性がない彼らが、なおも必勝の布陣を敷いて包み込む。


だが。


ここに彼らは奇跡を知る。

二つの世界の、さだめをゆがめるべく人の手になる最高の兵器の、その二つがさらに二つの世界の力を駆って合わされたということを。

四つの世界の手による、その奇跡の意味を。


ガンバスターの装甲がひび割れた。その下に生じ、増殖した筋肉の隆起によるものだ。顔も盛り上がる。それは、仮面のようにめきめきとガンバスターの顔を持ち上げた。

四肢と――背中の光の翼を広げ、ここにそれは誕生する。


それは、恐れることなく彼らを待ち構えた。


そして、言った。ひとつに成った、ガン・エ・ヴァ・スターは言った。


「S2機関と!」


「縮退炉!」


「二つの心臓を持ってるッ!」


「このガン・エ・ヴァ・スターをッ!」



「「――舐めないでよ。」」



振るう。


それを果たしてどう表現すべきであったか。

ただ何気なく軽く手で振ったかのようにしか見えなかったギターから、衝撃波の「ようなもの」が生じた。そうでないということは見たものには解った。それは本来、この世界では起こるはずのない現象。物理であり得ざるデタラメを超えるデタラメ。空間そのものを震わせてあらゆる存在の基盤そのものをも破砕する絶対の大打撃。世界をも壊しかねない創生の魔剣。

千々に――まさに、千々に砕かれて散らばっていく量産機たちは再びそれから遠ざかろうとする。距離を置いて新たな布陣を敷き直そうとする。


だが、遅い。


ありえるはずのない二つの機関の組み合わせ。

別の宇宙から汲み出されているかのような無尽蔵のエネルギーは、神の領域へと彼らを連れて行くのか。

ありえざる速度で移動するガン・エ・ヴァ・スターはギターを構えたままで突撃し、瞬く内に彼らを粉砕していく。

時間を逆行しかねないほどの……それは光をも超えた速度。そして繰り出される、滑らかな打撃と怒涛のエネルギー波。


誰も止められない。止められるはずがない。


「これで!」

「決める!」


アスカとシンジが吼え、


「行くわよ!」

「はいッ!」


カズミとノリコが叫ぶ。


それは圧倒的だった。

だが――やや遠くからそれを眺める三人――その内二人には、わかっていた。


「これは……これで終わり?」

「……いや、これは……まだ、足らん?」

「へっへー、わかってんじゃん少年」

「何? どういうことなん? 奇跡を起こす条件はあと二つて、さっきのナレーションでも――」

「そんなところにツッコむのんは禁止やアルミちゃん! ちゃうねん。あと二つっちゅうのはそうやのうて――」


サッシが核心に触れようとした、まさにその時であった。


『いけるわ! これで――えっ!?』


ミサトにはその時、何が起こったのかが理解できなかった。

いや、宇宙全体で、この時に何が起こったのかを知ることができたのか。





「ガン・エ・ヴァ・スターが……止まった?」





そう。

止まった。

今更宇宙空間は慣性が働き続けているからそう簡単に止まるかというツッコミは意味がない。

とにかく、本当にいきなり、ガン・エ・ヴァ・スターは停止したのだ。

ついさっきまで激しく動き回っていたのが嘘であるかのように、忽然とその姿が目視確認できた。バーニヤからの噴出は出ているし、A.T.フィールドによる斥力も発生している。だが、それは先ほどまでのそれとは比較でるものではない。

エヴァ・パイロットを中心として動いていたはずのその手足は止まり、

ガンバスター・パイロットが管制していたはずの兵器も静まっていた。

止まってしまったと思うのも無理はなかった。

翻弄されていた量産機たちは戸惑ったように一旦距離をとったが、ガン・エ・ヴァ・スターの異変をどう捉えたのか、一番近い機体が剣を振り上げて強襲した。


「疾ッ!」


アスカは咄嗟に旋回して頭上からの攻撃を回避しざまに、ギターの一撃で量産機の胴体を薙ぎ払おうとする。


「なにこれ……威力が落ちてる……!」


忌々しそうに吐き捨て、真っ二つになった量産機を睨み付けて刹那の間も入れずに頭から叩き潰す。


『駄目です! 複合ハーモニクス低下! ユニゾンが……崩れていきます!』


「動きが鈍いよ! どうなってるのアスカ!」

「って、アンタが何かやったんじゃないのシンジ?」


違う、ということはお互いにすぐに解った。そこからカヲルとモニターを見たのは、二人にしてみたら彼女がもっとも頼りになる戦友であるということを自覚していたからだろう。だから、カヲルが痛ましげに首を振り、カズミとノリコの困惑の表情を見て、ようやくアスカとシンジは彼女を――


綾波レイを、見た。


彼女は、何かをためらっていた。

震えていた。

俯いていた。

唇を噛んでそうしているさまは、何かに脅えているかのようにも見えた。


「どうしたってのよ!?」


アスカは迫り来る量産機の頭を踏み台にして続いてくるのを叩き壊しながら叫んだ。もはやユニゾンを失った状態で機体を駆るのは困難を越えて苦痛だった。意識しなかった継ぎ接ぎの身体に対する違和感が遅い、吐きそうになる。カヲルが抑えてくれているらしいが、それでも耐えられるレベルではない。


しかし、綾波レイは答えない。


「答えてよ綾波! 黙っていたらわかんないよ」


焦れているのか、シンジはそう叫びながらアスカのサポートとして操縦していた。バーニヤの噴出を強め、状況から脱却しようとする。やはり吐き気に耐えながら、ひたすらにアスカとのシンクロを高め、機体制御を取り戻そうとした。


けれど、綾波レイは、答えない。


『レイ! どうしたの! 答えて!』


さすがに、ミサトも叫んでいた。


『レイ!』


リツコも。

そして――



☆ ☆ ☆



せやからなアルミちゃん、と、既にはるか彼方になってしまった宙域で、サッシは言った。


「陰陽のマークには、黒の中に白点、白の中に黒点が描いてあるやろ? つまりあれは、全ては混ざり合って存在する――言い換えると、敵は味方の内に在り、ちゅうことも意味してんねん。逆もまた然り、……ほら」



☆ ☆ ☆



そして綾波レイは、ぽつりと、ためらいがちにその言葉をこぼした。


「このままで……どうしてこのままではいけないの」

「いいわけあるかっ!」


反射的に突っ込んでしまうアスカ。

だが、レイはキッとアスカを睨み返した。


「どうして? 誰も――解決さえ望まなければ、誰も苦しみなどしないのに」

「なッ――!?」


『レイ。義務を果たせ』


碇ゲンドウが、言った。

宇宙の全てから音という音が消え果たかのようであった。

ようやく、それに応えるように彼女は顔を上げた。


「できません……」

『まだ、宇宙の見る夢に寄り添う気か?』

「わたしは」


レイがその時、どう言葉を継ごうとしたのかは、次の瞬間に永遠の謎になった。


『シンジくん! 十時の方向から! ――くっ! バスター・コレダァァァァァァ!』


ノリコが叫びざまに一撃を放つ。

「くっ」と歯を食いしばりシンジはギターでその攻撃をかいくぐった機体を迎撃し、さらにアスカが残りにつま先蹴りを叩き込む。


「いまさら何言ってるのよファースト! 解決も何も――」


『このままでいたい。そう願っている者がいるのはわかっていた』


言い切ったのはゲンドウだった。ゲンドウは立ち上がってモニターを見ていた。サングラスははずしていたままだった。静かな眼でモニターを見て、ゆっくりと口を開いた。


『老人達ではなかった。彼らではなく、シンジでもなければ弐号機パイロットでもなく、しかしこの状況をプロデュースできる者――お前だったのだな、レイ』

『正確に言えばそう望んでいたのは彼女の無意識だろうがね。もっと言えば――レイの持つ無為の器に集まった我々全体の集合的無意識が、そう望んでいたのだろう』


「このままだとみんな死んじゃうのに!?」


『それは我々が自らの無意識に反して、世界を修正しようと行動を起こしたからだ』

『もしも私達がその意志を失えば――世界は意味の軋みを修正し、またあの世界へと戻ろうとするだろうね……こんな茶番劇は、全てがなかったことになる。我々が統計的に望んだ希望――あの嘘で形作られた、しかし平和な世界へと可能性は収束し』

『不完全なまま終わった人類補完計画は、今度こそ遂行される』

『発案者の誰もが望まぬ形にね。全く、世の中は上手く往かないものだ』


「人類補完計画? まだ、続いているの?」


『そうだ。人類補完計画は半ばで終了したはずだった。しかし』

『それは私達の手の及ぶものでは本質的になかったのだよ。始まったからには、それが完遂するまで繰り返し実行され続ける不可逆的な変化、それが人類補完計画の真髄だった』

『そして我々はその改竄に継ぐ改竄が行われる世界に少しずつ慣れていった。それが、この世界の正体だ』


山彦のように被さる二つの声に、この世界の危うさを告げるその声に、レイは顔を覆う。


「私は……ただ、碇くんやアスカや他のみんなと、面白おかしく毎日をすごしたかっただけ……!」


ぶっちゃけた!


いやなんかそれキャラ変わってない? みたいなことを言いたいのだが、場の雰囲気に飲まれて何も言えずに黙り込んでしまうシンジは、困ったようにアスカを見た。

アスカは、だが、いつになく俯いていた。


「あんた――黙ってたと思ったら、んなこと、考えてたんだ」


どうにかこうにか搾り出したような言葉に、レイは頷く。


「私は」


レイが、隣に座るシンジへと覆いかぶさった。


「綾波?」

「ファースト!」

「私はただ」


「幸せになりたかった」


「ま、考えるまでもないわね」


アスカがレイの、


「いたたたっ」


耳を引っ張った!


「アンタばかぁ?」


アスカさまは仁王立ちした。

モニターのむこうで顔を抑えるものたちが続出しているが、そんなことはどうでもいい。あとおっぱいの感触をうすうすプラグスーツ越しにたっぷり感じたシンジは顔を真っ赤にしているが、本当にそれもどうでもいい。


「つまんないことで悩んでないの! このバカレイ!」

「……だけど」

「だけどはなしよ! こんバカ! そしてあと司令! あんたたちもバカよ!」


ゲンドウが何かを言う前に、アスカは叫ぶ。


「何が義務よ! えっらそうにいってんじゃないわよ! あんたらの選択だって、自分の勝手じゃない! 幸せを望んで何が悪いのよ! 面白おかしく楽しく明るく楽しく激しく生きたくて何がおかしいのよ!」


(そこまで言ってないよアスカ。あと楽しいが重複した)


シンジは思ったが、さすがに突っ込む余裕はない。


「――でも、あんたの了見は狭いわ。レイ」


なんだと?


誰もが首を捻った。ゲンドウたちを否定し、レイの思いを肯定し――なのに何故と。


一息間をおいて、アスカは叫んだ。


「自分の幸せがなんなのか、知らないやつに決めさせたりすんじゃない! 誰かに管理されたシアワセなんぞクソッ喰らえよ! あたしの未来は、あたしが決める。あたしが行動を起こして、あたしが幸福になる。そうじゃないと、あたしはいやだ! 幸福な豚より不幸なソクラテスってね!」


そうだった。

サードインパクトが起きたあの日。人類の中で、事態の中心にいたシンジ以外で唯一、あの赤い海を自力で抜け出し――誰もが満足してしまった世界をも否定した、悪魔のような女。

挙句シンジまで「キモチワルイ」と大否定してのけた女。

世界で最も鼻っ柱が強く、世界で最も我儘な女。

それがアスカという少女だった。

ならば、それならば。

自分以外の者に物事決められるのが大嫌いな当代きっての大否定女ならば、そう言うに違いなかった。


「アス、カ――」


しかしその言葉は、途切れた。


「駄目! 防ぎきれない!」

「光の盾が――破れない!」


「「しまった!」」


そしてシンジとアスカは、戦闘中にも関わらず操縦を止めてしまった自らの失態に気づいた。


エヴァ組が立ち止まっていた、ほんの数分。

その数分は、量産機たちが編隊を組み終わるまでには十分な時間だった。


『駄目! まだ彼らの話は終わってない――動いて! バスタァァァァァァ!!!! ビィィィィィィム!!!!』

『いけないノリコ! いまそんな攻撃をしたら――!』


カズミが叫んだが、既に手遅れのはずだった。限界を超えて使用されたビームの放熱が、上半身に当たるバスターマシン一号機を焼き尽くす――はずだったのだが。


『……生きてる?』


その攻撃は、何かに押しとどめられていた。正確に言えば、バスタービームは、それが発生する前に――


『あれは……誰?』



☆ ☆ ☆



「おーし、そろそろ行くぜーい」

「ういーす。って、この原チャに三人はキツいんちゃう? っていうか、法律違反やろ」

「せやけどサッシ、道路交通法って日本の法律やろ? ここ宇宙やで?」

「ああ……さよか。ほんならええか。って怖ッ! めっちゃ飛んでる!」

「うちゅーに上とか下とかないけどにゃー」

「そういえばせやなー。と、ああ、ほんでサッシ。あの子、ちゃんと着いたんか?」

「そうそう。そこんとこドーよ少年?」

「うーん……だぶん大丈夫や思うで」

「よしきた。それじゃ行くぜーい!」


そしてハル子はべスパのアクセルを吹かす。小惑星帯が、火星が、どんどん遠ざかっていく。

光の線になって星々が流れていくのを眺めながら、サッシはくすっと笑った。

これで……


「やっと役者が揃たな」



☆ ☆ ☆



赤髪を逆立ててバスタービームを制したその少女は、ガン・エ・ヴァ・スターに向かって叫んだ。


「簡単に命を捨ててはいけません!」


「なに、あれ……生身で。あのべスパ女の仲間?」

「でもアスカ、あのひとの仲間だったら、もっとこう……あっ」


シンジが言葉を言い終わらぬ間に、その姿はふっと掻き消える。

そして。


『!? 月近郊に重力子反応――あれは、宇宙怪獣!?』


「ええっ!?」


アスカは叫ぶ。そして見た先には――あの日モニターでリツコたちが目撃した。化物たちがいた。

群れなす化物どもは明らかにこちらに向かってきている。


「量産機に変身したんじゃなかったの?!」とギターを振りながらシンジが言う。

『でも、宇宙怪獣にしたら、少し形が……それに、私達よりも地球に近い場所にいるなんて!』とカズミが叫ぶ。

「待って! 違う……アレは、魂を……A.T.フィールドを感じる」とカヲルが呟く。

「宇宙怪獣にもあるでしょ? 生き物なんだから!」と怪獣どもを蹴散らしながらアスカが問うた。


だが、カヲルは首を振る。


「違うんだよ、あれはもっとこう……そう、機械に宿った……バスター、マシン?」


その時、呆けた顔をしていたノリコが、叫ぶ。


『見て!』


宇宙怪獣らしき群の中心に誰かが、見えた。


その燃えるような眼は、どこかタカヤ・ノリコに似ていた。


腕組みをして直立するその姿は、どこかガンバスターに似ていた。


「あれは……」

「バカシンジ! 余所見してんな! あたしたちがやんないと――」


バスターマシン由来の兵器には、もう無理をさせすぎているのに。


「しまっ……!」


だが。その時。

その少女は確かに叫んだ。


力ある、言葉を。


「バスターーーーーァァァアアア!!!!! ビィィィィィィィィィィーーーーーーム!!!!!」


少女の額から発生した光が、量産機を次々と薙いでいく。

それは確かに、ガンバスターの持つバスタービームと同じものだった。


「あれって……ノリコ! カズミ! 何よあいつ!」


だが、その声に答える余裕は彼女達にもなかった。


『バスター……ビーム……何故?』


「イナズマアアアアアア!!! キイイイイイイイイイイイッッッッック!!!」


『イナズマ……キックまで……』


呆然とするガンバスターのパイロットの動揺が、エヴァ・パイロット達にも伝わろうとした、その時。


「たぶん、お姉さま達は私を知らないと思います! でも、疑問に思うことはないのです!」


その少女が叫んだ。生身のまま、真空で。


「なぜならば!」


先ほど同じようにする女を見ていながら、あまりに真剣な眼のせいで誰もがその姿の非常識さに心奪われた。


「ノノもまた、バスターマシンだからなのです!」

「ノ……ノ?」

「はい! ノノが! バスターマシン7号が! 遥かな時間を飛び越えて、お姉さま方を助けに参りました!」


全員の注目を集めたまま。

燃える瞳の少女は、戦場の中心で宣言した。




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first update: 20070515
last update: 20070515

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